こんにちわ、リョウスケです。
今回は、投資の天才「ウォーレン・バフェット」も保有している、ICT最大手の「アップル(AAPL)」の2018年第1四半期の決算を分析してみたいと思います。
まず、結論から申し上げますと、今回の決算は、それなりに良かったです。
2018年1Qは・・ですけど。
以下は、今回発表された決算のデータを一部抜粋したものです。
まず、「売上」を見てみると、「88,293(882億9300万)ドル」となっており、前年度と比較すると「12.68%」の増収となっています。
ちなみに、市場予想が「87,280(872億8000万)ドル」だったので、予想を上回っております。
続いて、「営業利益」をみると、「26,274(262億7400万)ドル」となっており、前年度と比較すると「12.47%」の増益となっています。
ちなみに、「営業利益率」は、昨年度同期が「29.81%」だったのに対して、本年度は「29.75%」となっており、ほんの少し営業利益率が落ちていますが、高い利益率を誇っていますね。
アップルの強みは、こういう点にあると思います。
そして、「純利益」を見ると、「20,065」となっており、前年度と比較すると「12.15%」の増益となっています。
ちなみに、EPSの予想が「3.86ドル」だったのに対して、「3.89ドル」となっており、こちらもクリアしています。
2018年度第1四半期の決算内容としては、「増収増益」でアナリストの予想もクリアしていたので、数値だけを見ると、非常に良い決算だと思います。
ただ、収益の数値だけでは見えない部分に、問題点が隠れているものです。
それでは、「アップル」の収益の柱である「iPhone」などの売れ行きがどうだったのか見てみたいと思います。
以下は、アップルが今期売り上げた製品・サービスを数値化したものです。
「iPhone」は、本年度全世界で「77,316(7731万6000)台」売れており、売り上げが「61,576(615億7600万ドル)」となっています。
昨年度が「78,290(7829万)台」売れて、売り上げが「31,968(319億6800万ドル)」だったことを考えると、販売台数が減り、売り上げが上がったことが分かります。
また、アナリストが予想したiPhoneの販売台数は、8003万台だったので、予想を下回る結果となりました。
続いて、「iPad」は、本年度全世界で「13,170(1317万台)売れており、売り上げが「5,862(58億6200万ドル)」となっています。
昨年度が「13,081(130万8100)台」売れて、売り上げが「5,533(55億3300万ドル)」だったことを考えると、5.9%の増収となっております。
さらに続いて「Mac」は、本年度全世界で「5,112(511万2000台)」売れており、売り上げが「6,895(68億9500万ドル)」となっています。
昨年度が「5,374(537万4000)台」売れて、売り上げが「7,244(72億4400万ドル」だったことを考えると、4.9%の減収となっています。
さらにさらに続いて「Service」を見てみます。
この事業は、「Appleストア」や「iTune」の売り上げとなっています。
本年度は、「8,471(84億7100万ドル)」となっており、昨年度の「7,172(71億7200万ドル)」と比較すると、18.1%の増収となっています。
そして最後に「Other Products」を見てみます。
この事業は、上記以外の売り上げを含んでおり、「アップルウォッチ」や「iPod」などがこちらの事業に含まれます。
本年度は、「5,489(54億8900万ドル)」となっており、昨年度の「4,024(40億2400万ドル」と比較すると、36.4%の増収となっています。
また、この日発表された、2018年度第2四半期(1月-3月)の見通しは、売上高が600億ー620億ドルとしました。ちなみに、アナリスト予想平均は657億3000万ドルだったので、予想を大きく下回る結果となりました。
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今回の決算は、「増収増益」を実現し、市場予想も超えることができましたが、2018年度第2四半期の見通しが非常に悪かったですね。
現在のアップルの製品・サービスの売り上げを円グラフにしてみると、以下のようになります。
◆アップルの製品毎の売上比率
このグラフのとおり、アップルという会社は、「iPhone」の売上が、全売上の70%を占めており、非常に大きな割合を占めています。
言い方を換えると、「iPhone」に依存しているとも言えます。
最近は、「Other Product」も伸びてきているとはいえ、このiPhoneに依存しているビジネスは、将来の「リスク」になる可能性もあります。
実際、iPhoneXは販売数が伸び悩んでいますし、そして、2018年2Qのガイダンスも、市場予想に届きませんでしたので、今後、iPhoneの需要が鈍化することを懸念しているアナリストも多いようです。
とはいえ、一度「iPhone」を使った人は、Android等の端末に変える人は少なく、リピート率が非常に高いので、すぐに、アップルのビジネスが陳腐化する可能性は低いと思います。
ただ、アップルに投資するのであれば、この一極集中型ビジネスの危険性と、個人向けのハイテク機器のブームのリスクは、キチンと考えておく必要があります。
良い商品が発売されて、ブームに乗ってしまうと、あっという間にシェアが流れてしまいますからね。
実は、私も、以前、この「アップル」の購入を考えたことがあったのですが、iPhone一極集中のビジネスは、ちょっと怖いと思い、断念しました。
「株式投資」には、様々な投資手法がありますが、バリュー投資だろうが、グロース投資だろうが、連続増配株投資だろうが、ある程度の「成長」の要素は必須です。
そういう意味では、私は「アップル」のような一極集中ビジネスは、少し怖いと考えてしまいます。
バフェットが保有するほど、将来が期待できる黄金銘柄だということは、わかっているんですけどね・・・「アップル」に投資するのであれば、「マイクロソフト」や「Amazon」の方が、投資吟味があるように思えます。
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