こんにちわ、リョウスケです。
今回は、世界最大手オンライン小売業の「Amazon(AMZN)」が、2018年度第1・四半期決算を発表しましたので、考察してみたいと思います。
結論から申し上げますと、今回の決算は非常に良かったです。
今期の売上高は、510億4200万ドルとなり、前年度と比較すると、42.9%の増収となり、アナリスト予想の497億8000万ドルを上回っております。
純利益は、16億2900万ドルとなり、前年度と比較すると、125%の増益となりました。また、 1株利益は、3.27ドルとなり、アナリスト予想の1.26ドルを大きく上回っております。
そして、この日同じく発表した、2018年4月期~6月期の見通しは、営業利益が11億-19億ドル、売上高が510億-540億ドルとしました。アナリスト予想は営業利益が11億3000万ドル、売上高が523億ドルでしたので、どちらも予想を上回っております。
続いて、アマゾンの売上高をセグメント別に見てみたいと思います。
以下は、今回発表された決算データです。
決算データを見ますと、アマゾン全体の事業を「Online stores」「Physical stores」「Third-party seller services」「Subscription services 」「AWS」「Other」に分かれて記載されています。
「Online stores」は、ネット通販で得た収益です。
このセグメントの「売上」は、「26,939(269億3900万ドル)」となっており、前年度と比較すると「+18%」の増収となっています。
続いて「Physical stores」は、実店舗の収益です。これの大部分は、2017年に買収した「ホールフーズ」によるものでしょうね。
こちらの「売上」は、「4,522(45億2200万ドル)」となっています。
続いて「Third-party seller services」は、第三者販売サービス(第三者が販売するサービスに関する手数料売上など)による収益です。
こちらの「売上」は、「9,265(92億6500万ドル)」となっており、前年度と比較すると「+44%」の増収となっています。
続いて「Subscription services 」は、「Amazonプライム」の会員費などが含まれています。
こちらの「売上」は、「3,102(31億200万ドル)」となっており、前年度と比較すると「60%」の増収となっています。
さらに続いて「AWS」は、クラウドサービスの「Amazon Wev Service」の収益です。
こちらの「売上」は、「5,442(54億4200万ドル)」となっており、前年度と比較すると「49%」の増収となっています。
最後に「Other」は、広告収益やクレジットカード契約による収益です。
こちらの「売上」は、「2,031(20億3100万ドル)」となっており、前年度と比較すると「132%」の増収となっています。
全セグメントにおいて増収を実現していますね。
ちなみに、アマゾンのセグメント別売上をグラフにすると、以下のようになります。
やはり、売上だけで見ると、「ネット通販事業」が最も大きく、売上全体の半分以上を占めています。
でも実は、この事業の利益率は、数%となっており、あまり儲けにはなっていないんですね。
そこで注目して欲しいのが「AWS」です。
売上ベースで見ると、全体の「11%」程度に過ぎませんが、「AWS」の利益率は、今期25.7%という、非常に高い数値となっております。
そして、利益ベースで見ると、全体の72.6%をこの「AWS」を占めていることになります。
凄くないですか?
そのため、Amazonは価格度外視の施策を打つことができ、シェアを獲得することができるわけです。
Amazonの快進撃は、この「AWS」が支えていると言っても過言ではないでしょうね。
あと、Amazonプライム会員が、世界で1億人を超えており、こちらもネット通販事業の売上を底上げするとともに、安定的な収益を得ることができる点も非常に大きいです。
今回は、アメリカでプライム会員の値上げを行い、売上を大きく高めることができました。Amazonプライム会員は、会員費が安い上に、メリットは大きく、一度会員になってしまうと、なかなか辞めることができませんからね。
今回の値上げでは、会員数減少になりにくく、売上の増加に大きくつながることが判明したことになります。
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今回の決算も、超成長企業にふさわしい素晴らしい決算となりました。
ネット通販をはじめとしたほぼ全ての事業で、増収することになりましたが、やっぱり「AWS」の存在感が凄いです。
私は、ITのエンジニアをしており、私の仕事上では、「AWS」以外にも、マイクロソフトの「Azure」や、国内企業の製品を提案する機会が増えているのですが、そもそもクラウドが予想を大幅に上回るスピードで活用されているってことですね。
おそらく、これからも、クラウドの市場は伸びていき、それとともに、Amazonも成長していくことになりそうです。
あと、今回や来期の見通しを見ると、トランプ大統領のTwitterでの口撃があったにもかかわらず、ほとんど事業には影響がなかった、というのは大きいです。
しかも、ベゾス最高経営責任者(CEO)は、「事業で成功を収めることがトランプ政権に対する最も有効な復讐だ。」とか言っていますし。 強気ですね。
「ホールフーズ」買収もうまくいっているようですし、スマートスピーカーも順調に売上を伸ばしていますし、しばらくはAmazonを脅かす存在は、ほとんどないように思えます。
あるとすれば、国家による規制や法改正になりそうですね。このあたりが、今後、Amazonに同影響を与えてくるのか、ウォッチしていく必要があります。
ただ、それでも、数年以内に、Amazonが沈んでいくのを、想像することはできません。これからも、様々な業種をイノベーションし、大きく成長していくことを予感させられます。
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