こんにちわ、リョウスケです。
今回は、検索エンジンや地図情報システムを提供する「グーグル」、動画サービスを提供している「Youtube」を傘下に置いている「アルファベット(グーグル:GOOG、GOOGL)」の2019年度第4・四半期(10月~12月)の決算を考察してみたいと思います。
結論から言いますと、今回の決算は、内容としては悪かったです。
まず概要から見ていきたいと思います。
以下は、今回発表された決算データの一部を抜粋したものです。
◆アルファベット2018年Q4決算概要
2018年4Q(10月~12月期)の「売上高」は、392億7600万ドルとなり、前年度と比較すると、22%の増収となりました。また、市場予想の389億3000万ドルを上回っております。
そして、純利益を見ますと、89億4800万ドルとなり、前年度が赤字だった利益が黒字化することができました。
調整後の 1株利益は12.77ドルで、予想の10.86ドルを上回りました。
また、グーグルの設備投資額は10-12月期に80%増加し68億5000万ドルとなりました。この影響により、営業利益率は21%となり、前年同期の24%から低下しました。
ルース・ポラット最高財務責任者(CFO)はインタビューで、「設備投資はかなりのペースで伸びており、主な原動力は引き続き、成長を支える技術インフラへの投資だ。データセンターとマシンという意味だ。広告と検索、ユーチューブ、クラウドの世界的成長見通しを反映する」と説明した。
さらに同CFOはアナリスト向け電話会議で、ユーチューブのコンテンツ費用や増員がコストを押し上げたことも明らかにした。アルファベットの従業員数は2018年末時点で9万8771人と、前年同期比で23%増加した。従業員数の伸びは19年に鈍化すると同CFOは付け加えた。
それでは、続いて、「アルファベット」の事業別に決算を見ていきたいと思います。
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以下は、今回の決算の事業別売上のデータを抜粋したものです。
上記の「Google advertising revenues」が、Googleの稼いだ「広告費」になります。
そして、「Google other revenues」が、Googleが稼いだ「広告費以外」の収益です。
また、「Other Bets revenues」が、Google以外が稼いだ収益となります。
これらを元に、データを見てみると、「Google」の広告売上は、326億3500万ドルとなっており、前年度比で「19.76%」の増収となっています。
ちなみに、この広告収入は売上高の83.4%を占めていますが、成長率は前年度とほぼ同じ水準となっています。
また、「Google」の広告売上以外・・・つまり、クラウドサービスやその他成長分野の売上は、64億8700万ドルとなっており、前年度比「30.65%」の増収となっています。
そして、「Google」以外の企業の売上は1億5400万ドルとなっており、前年度比「17.55%」の増収となっています。
このようにアルファベット全体の売上は、今回も順調に成長しております。
最後に、グーグルの最も大きな収入源である「広告収入」について、見てみたいと思います。
上記の「TAC」というのは、「トラフィック・アクイジション・コスト(TAC)」の略で、アップルなどの携帯端末やアプリで、グーグルの検索連動型広告を表示した際に支払う手数料です。
また、広告クリック回数(ペイドクリック)は、前年度と比較すると、66%増加しております。これは、モバイル経由での回数が増えているようですね。
また、「広告の単価」は、-29%減少しており、最近は、決算の度に減少しております。これは、モバイルの普及が広まっておりますが、パソコン広告に比べると、モバイル広告の方が、安いためです。
今回の決算も、増収増益を実現し、アナリスト予想も上回りましたが、支出が大きかったことにより、決算発表直後2%下落しました。
個人的にはこの程度で下落するのは、ちょっと評価が厳しいのではないか、と思うんですけど、現在の市場は「懸念材料」と受け取っているってことですね。
それにしても、このアルファベットの成長力と収益性は素晴らしいにもかかわらず、予想PERが23倍前後と、それほど高くないんですよね。
今のアルファベットは、WEBの広告売上が全体の8割を超えているわけですが、業界3位のシェアを握っている「クラウド」の分野でも勢いがありますし、今や動画サービスに君臨しているYoutubeも高成長が見込めます。
そして、その「Google」という名前は知らない人がいないほどの絶大なネームバリューがありますので、優秀な研究者や技術者が、Googleに集まっていますし、莫大なキャッシュを保有しているので、次期主要事業に投資できるメリットも大きいです。
しかも、不確実な未来の中で、第四次産業革命が訪れるのは確実とされている中、グーグルの追い風になることは間違いありません。
ですので、将来性には大きな期待ができるように感じるわけですが、グーグルがここまで市場で割安に放置されているのは、それなりのワケがあると思うのですが、少なくとも私にはその理由がわかりません。
まあ、敢えてあげるなら、これまで税金を上手く払わずに成長してきたので、国家や社会の監視が厳しくなることくらいですかね。
とはいえ、経済成長が鈍化することを懸念されている中、この「アルファベット」は、今のうちに仕込んでおいてもいいような気がしますね。
みなさんはどう思いますか?
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