こんにちわ、リョウスケです。
株式投資では、購入した時と売却した時の「差益」から利益を得る「キャピタルゲイン」と、配当金などから利益を得る「インカムゲイン」の二つの手段で利益を得ることができます。
「株価」は日々刻々と変化していっていますので、多くの投資家は「キャピタルゲイン」を意識している人が多いかと思いますが、本来、「株式」とは「事業者」が「株主」から資金を集めた際に「配当金」という形で利益を分配することが目的で作られた制度なので、「インカムゲイン」も忘れないで欲しいものです。
とは言え、「インカムゲイン」の場合高くても4%程度であるのに対して、「キャピタルゲイン」の上値を無限大なので、投資家のほとんどが「キャピタルゲイン」を重視してしまうことは仕方がないのかもしれませんね。
では、そんな不人気の「インカムゲイン」を重視した投資法というのは行うべきではないのでしょうか?
答えは「NO」です。
「インカムゲイン」を重視する投資法は賛否両論の意見がありますが、「配当金」を重視することになるので、株価の変動を意識しなくて済み、精神的負荷が軽減する、という特長があります。
「株式投資」の最大の「悪手」は株価の変動によって狼狽売りしてしまうことや、投資を辞めてしまうということなので、この「精神的負荷を軽減する」ということは意外と大きな特長なんですよ。
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ちなみに「インカムゲイン」を重視して銘柄を選択する際、「配当利回り」だけを意識するととんでもないことになってしまいます。市場は適正に判断されているケースが多いので、「配当利回り」が高いということは、それだけリスクが高く株価が下がるリスクがあります。
ですので、単純に「配当利回り」が高いだけでなく、企業が事業で得た利益をどれくらい還元しているかを表す「配当性向」にまだ余裕があるかどうかや、連続増配がどれくらい続いているのか、そして事業が安定しているかなどをしっかりと見ておくべきです。
これらの確認は最低でもやっておかないと「インカムゲイン」を重視しているのにも関わらず「減配」や「無配」になってしまう可能性だってありますからね。こういったリスクを下げなければいけません。
そういう意味では、将来性という点で見劣りする日本株よりも、米国株で銘柄を探すべきだと思います。米国の企業は日本企業に比べて、株主還元をしっかりと意識している企業が多いですし、連続増配も25年以上続けている企業もゴロゴロしており、中には50年以上連続増配を続けているモンスター企業もあるくらいですからね。
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米国株のように市場が開かれて以降、史上最高値を更新し続けていても、2000年初頭のITバブル崩壊や2008年のリーマンショックのように、-50%前後暴落するケースもありましたが、こういった時はどんな投資家であってもパニックになってしまいます。
それほど、「株式投資」というのは、個人の精神的な要素が強いものだということを忘れてはいけません。
ですので、株式市場で長く居続けるためには、「株価」という株式の利益を表す絶対的な数値以外にも、なんらかの「付加価値」が必要になってきます。
私は、それが「配当金」だと思っています。
しかも、「株価」が下がれば下がるほど、「配当利回り」は上昇していきますからね。
積立投資していくことで、資産の最大化が効率的に行えるもの、ということを前提にするのであれば、下落局面で「株価」を見ていると、追加投資って躊躇ってしまいがちですが、「配当利回り」で見ると、追加投資する意欲も出てきますからね。
その結果、下落局面が終わり、上昇局面に入ったとき、安く手に入れた株式の「株数」の分だけ、アクセルをふかした時と同じように爆益を生み出してくれるわけです。
「株価」だけを見て、追加投資に消極的になってしまっていれば、この利益を手に入れることはできなかったですからね。
つまりインカムゲインを重視した投資法では以下のメリットがあるわけです。
・株価ではなく配当金が大きな視点となるので株価に惑わされず長期で保有することができ、「株式投資を辞める」という最大の握手を防ぐことが出来る。
・株価が暴落して悲観論が溢れ出て投資家達が投資を躊躇っていても、安値で多くの株数を取得することができ、株価上昇時のアクセルとなる。
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ただ、「インカムゲイン」を重視した投資法は「キャピタルゲイン」という視点ではパフォーマンスが落ちてしまう傾向があります。
以下は、S&P500指数と連動したETF(IVV)と高配当銘柄で構成されたETF「バンガード高配当ETF」のチャートを比較したものです。
◆IVVとVYMの騰落率を比較(2008年4月~現在)
上記グラフは、リーマンショックの少し前から現在までの騰落率を表しているのですが、市場平均であるS&P500指数が「+117.51%」、優良な高配当銘柄で構成されているVYMが「+84.03%」となり、直近10年間のパフォーマンスは市場平均が圧倒しているわけです。
直近の10年間は上昇相場が続いておりましたので、事業が安定して配当金も安定して出す企業よりも、成長力の強い企業に資金が流れるため、パフォーマンスが落ちてしまうんですよね。
しかも、本来得ていた利益を「配当金」として捻出しているので、利益が下がってしまう点からもパフォーマンスが落ちてしまう理由の一つです。
ただ、上記は、あくまでチャート上のパフォーマンスですので、これだと高配当ETFである「VYM」のメリットが生かされていません。ですので、配当を再投資した場合のパフォーマンスを見てみたいと思います。
◆IVVとVYMの配当再投資した場合のパフォーマンス(2007年10月~現在)
線グラフで見ると、ほとんど差異が見えなくなるほど、VYMのパフォーマンスが上昇します。これが、「配当再投資戦略」の真骨頂だと思います。
ただ、それぞれのパフォーマンスは、IVVが「+152.0%」、VYMが「+164.9
%」となっており、配当再投資をしたトータルリターンでも「VYM」は市場平均をアンダーパフォームしていることになります。
高配当ということに特化したポートフォリオだと、市場平均に劣ってしまうということは、デメリットの一つですね。
ただ、前述したとおり、株式投資をする上で必ずしも「トータルリターン」を最も重視することではありません。最も大事なことは「効率よく資産を増やすこと」であり、資産を高める最中に「株式投資」を辞めてしまっては元も子もありません。
そういう意味では「インカムゲイン」を重視する投資法にも大きなメリットがあると思いますよ。
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