こんにちわ、リョウスケです。
今回は、世界最大の航空機メーカー「ボーイング(BA)」の2019年度第2・四半期(2019年4月~6月)の決算を発表しましたので考察してみたいと思います。
今回の決算は非常に悪かったです。
以下は、決算データを画面キャプチャーしたものです。
◆ボーイング決算レポート(2019年2Q)
ボーイングの今期の「売上高」は157億5100万ドルとなっており、前年度から-35%の減収となりました。アナリスト予想の185億5000万ドルを大きく下回っています。
続いて、「純利益」はマイナス29億4200万ドルの赤字となりました。
また、1株あたりのコア利益はマイナス5.82ドルの赤字となり、アナリスト予想の1.98ドルを下回りました。
フリーキャッシュフローはマイナス10億1000万ドルとなり、アナリスト予想のマイナス20億9000万ドルを上回りました。
今回の決算はとんでもなく悪い決算となりましたが、これは同社の開発・販売している旅客機737MAXが2度の墜落事故を起こし、運航停止が長期化していることが大きな原因となっています。
しかも通常は決算発表に合わせて通期の見通しを発表することが多いですが、「737MAX」の運行再開の見込みが立っていないことから、発表を見送っています。
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それでは続いてボーイングの事業別売上を見てみたいと思います。
ボーイングは、大きく分けて「Commercial Airplanes」「Defense , Space & Security」「Global Services」の3つに分けられます。
「Commercial Airplanes」は民間航空機事業です。
今期の民間航空機事業の売上は前年度比マイナス66%減の47億2200万ドルとなりました。また、販売台数も90機となり、前年度の194機を大きく下回っています。
続いて「Defense , Space & Security」は、宇宙産業であるロケットの製造や衛星システムの構築の他、防衛システムや通信監視を行っている部門です。
この事業の売上は前年度比8%増の66億1200万ドルとなりました。
最後に「Global Services」は、航空機のメンテナンスやエンジニアサポートを行っている部門です。
この事業の売上は前年度比11%増の45億4300万ドルとなりました。
こうして見ると3つの事業のうち民間航空機事業だけが大きく減収となっており、その他の2部門は増収となっているんですね。
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今回の決算を受けて、決算直後の株価はマイナス3%下落しました。
たった半年の間に2度も墜落事故を引き起こしてしまった「ボーイング」の信頼が地に落ちているということでしょうか。
2017年、2018年のボーイングの決算内容はほぼ完ぺきと言って良いもので、特に2018年は米中貿易戦争による影響で、どの企業も株価を下げている中で+20%以上の高パフォーマンスを出していました。
しかし、同社の最新鋭旅客機「ボーイング737MAX」が2018年10月と2019年3月に墜落事故を引き起こしてしまった影響が大きく、ボーイングへの信頼は損なわれてしまいました。
未だに「ボーイング737MAX」の運行再開の見通しは立っていませんし、スミス最高財務責任者によると、航空各社に対する737MAXの補償問題が今年以降、キャッシュフローに影響する恐れがあると語っています。
また、ミューレンバーグ最高経営責任者は、737型機の月間生産ペースを現在の42機からさらに落とすか、正当な理由があれば生産を停止する可能性を検討すると言及していますので、今後もボーイングの業績に影響を与えそうですね。
一度失った信頼は取り戻すことは非常に難しいので、しばらくボーイングには投資しないほうが良いかもしれませんね。
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