こんにちわ、リョウスケです。
今回は、世界最大の航空機メーカー「ボーイング(BA)」の2019年度第3・四半期(2019年7月~9月)の決算を発表しましたので考察してみたいと思います。
今回の決算は非常に悪かったです。
以下は、決算データを画面キャプチャーしたものです。
◆ボーイング決算レポート(2019年3Q)
ボーイングの今期の「売上高」は前年度比-21%の199億8000万ドルとなりました。アナリスト予想の200億ドルを下回っています。
続いて、「純利益」は前年度比-53%減収の8億9500万ドルとなりました。
また、1株あたりのコア利益は1.45ドルとなり、アナリスト予想の2.17ドルを下回りました。
フリーキャッシュフローはマイナス29億ドルの赤字となり、前年度は41億ドルの黒字から大きく下がりました。
今回の決算は減収減益となりアナリスト予想も下回るものとなりました。
これは同社の開発・販売している旅客機737MAXが2度の墜落事故を起こし、運行停止していることが原因です。ただ、年内に運行再開の認可が得られると見込んでいるようです。
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それでは続いてボーイングの事業別売上を見てみたいと思います。
ボーイングは、大きく分けて「Commercial Airplanes」「Defense , Space & Security」「Global Services」の3つに分けられます。
「Commercial Airplanes」は民間航空機事業です。
今期の「Commercial Airplanes」の売上は前年度比-41%減収の82億4900万ドルとなりました。また、販売台数も前年度190機でしたが、今期は62機まで下がっています。
続いて「Defense , Space & Security」は、宇宙産業であるロケットの製造や衛星システムの構築の他、防衛システムや通信監視を行っている部門です。
この事業の売上は前年度比2%増の70億4200万ドルとなりました。
最後に「Global Services」は、航空機のメンテナンスやエンジニアサポートを行っている部門です。
この事業の売上は前年度比+14%増の46億5800万ドルとなりました。
こうして見ると、3つの事業の中で「Defense , Space & Security」「Global Services」は増収を続けており、「Commercial Airplanes」が足を引っ張っているような形となっています。
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このように今期の決算は減収減益となり、アナリスト予想も下回ってしまいましたが、事故を引き起こした737MAXが今年度中に運行再開の見通しが立っていることや、737MAXの生産台数が2020年までに36%増の57機になる見通しが立ったことが好感され、決算発表直後の株価は一時+4%以上上昇しました。
これまで「737MAX」の二度の墜落事故により運行ができなかったことや、何よりもボーイングの信頼が損なわれてしまったことにより業績が悪化していましたが、ようやく収益改善の見通しが立ったようです。
とはいえ、すぐに業績が大きく改善することは難しいと思います。それだけ最新鋭の旅客機が2度も事故を引き起こし、信頼を損なってしまった影響は大きいです。
正直言って、米国株には「ボーイング」以外にも優良株はたくさんありますし、今後のリスクを考えるとインデックスに投資した方が良いように感じますね。
ボーイングは米中貿易戦争が激化し、市場平均が年初来でマイナスとなっていた時期でも+20%以上株価が上昇していましたが、いま投資するのはちょっとリスクが高いようにも思えます。
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