日本が世界に誇るべき産業というのは何でしょう。
私と同じ年代の方なら、「製造業」って言う方が多いのではないでしょうか。
一昔前までは、「モノづくり日本」と呼ばれるほど、
日本の製造業というのは、世界的に評価されておりましたからね。
私が子供の頃に見た映画
「バック・トゥ・ザ・フューチャー3」では、
こんなやり取りをしています。
~1955年に住む科学者ドクが、現代の車の部品を見て~
ドク『こりゃダメだ、この部品は日本製だ・・・(がっかり)』
マーティ『何言ってるんだよ、ドク!日本製は最高だよ!』
ドク『は!?そんな馬鹿な・・・(マジか)』
と言うやり取りまでしています(細かい言い回しは違うかも・・・)。
それくらい日本の製造業というのは、世界中で認められていたわけです。
でも、近年の日本の製造業は、
中国、韓国を中心とした新興国に次々のシェアを奪われ、
世界的な競争力が低下しつつあります。
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もちろん、日本が誇れるのは、製造業だけではありません。
他にもたくさんあり、
その中の一つが、「アニメ産業」です。
私は、仕事の関係上、外国人の方と一緒に仕事をすることが多いのですが、
「どういった理由で日本に来たの?」って聞くと、
ほとんどの人は、「日本のアニメの影響を受けて」と答えます。
それほどに、日本のアニメというのは、世界中で見られているわけですね。
しかし、
今の日本のアニメ産業は、様々な問題点があります。
このままでは、かつての製造業と同じように、
競争力が低下し、過去の遺産となってしまう危惧さえ覚えてしまいます。
私は、アニメが好きなので、休みで暇な時は、頻繁に見ております。
その中で凄く気になるのは、
アニメのエンディングとして、
音楽とともに、製作者の名前が流れてくるのですが、
この中に外国の人の名前がたくさん出てきます。
つまり、アニメ制作を海外に発注するケースが多くなってきているんですよね。
当然、この傾向がずうっと続き、
海外で制作するケースが増えてくると、海外での制作技術が高まり、
逆に日本での制作技術が下がってくるわけです。
また、アニメ業界で働くクリエイター達の低賃金、長期間労働も問題になっています。
「アニメーション制作者実態調査報告書2015」によると、
アニメ業界の平均年収は、332.8万円で、
もっとも年収が高いのが、「監督」の646.8万円で、
もっとも年収が低いのが、「アニメーター」の111.3万円
です。
この低賃金で、さらに長時間労働となっているため、
アニメ業界の離職率は非常に高い状態となっており、
人材の育成が進まないという現象がおこりつつあるわけです。
アニメやアニメ映画のオープニングを見ていると、
「○○○(アニメの名称等)制作委員会」と出ていることありませんか。
これは、「制作委員会」制度といって、
アニメ制作には、莫大な費用が掛かることから、リスク分散するために、
「○○制作委員会」というものを立ち上げて、
資金調達をすることが一般的となっております。
これをすることで、資金調達とリスク分散をおこなえる大きなメリットがありますが、
アニメーション制作会社の「著作権」を確保することが困難になってくることなども
問題点としてあります。
これらの状況が続くと、以下のことがおこります。
①アニメーションの質の低下
②アニメーターの高い離職率から引き起こされる技術継承
③日本のアニメ産業の国内空洞化
がおこります。
その結果、国際競争力が低下し、
賃金の安い他国に仕事を奪われるということになり、
日本のアニメ産業は衰退するという結果になるわけです。
今はまだ、日本のアニメ産業は、世界に誇れるべきものです。
ただ、今後様々な国が、日本の競争相手として立ちはだかってきます。
これらを打ち破るために、
今のアニメ産業界にはびこる問題点を是正することで、
国際競争力を確保し、
これまで同様、世界中の人が
「アニメに影響を受けて、日本に来ました。」
と言われるようにしてほしいですね。
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