こんにちわ、リョウスケです。
2017年の株式市場は、ほとんど調整もなく、大きく株価が上昇した一年となり、中でもfacebook、Amazon、NetFlix、Googleをはじめとした、ハイテク銘柄が大きく上昇し、米国の優良銘柄で構成されたS&P500指数のパフォーマンスを高めました。
人間は、テクノロジーによってイノベーションされることを望んでいる傾向があるので、いつの時代も、ハイテク銘柄は投資家に人気があるわけですが、人気に比例するほどのパフォーマンスを実現することができておりません。
これは、ハイテク銘柄が常に期待されている為、割高になっている傾向があったことと、ハイテク銘柄は成長を前提とした経営を行っているため、「配当金」が少ない又は出していない企業が多く、配当金再投資戦略によるパフォーマンス向上が行えなかったからです。
◆それぞれのセクター毎の騰落率(2011~2016年)
上記は、2011年から2016年末までの各セクターの騰落率を表しています。
この5年間で、S&P500指数は「+74.08」上昇し、情報技術セクターは「+96.82%」上昇しています。市場平均をアウトパフォームする素晴らしいパフォーマンスですが、ヘルスケアセクターは「+125.75%」上昇しておりますので、ベターではあるものの、ベストなパフォーマンスではないということです。
まさに、シーゲル教授が著書「株式投資の未来」で提唱している「成長の罠」に当てはまると思います。必ずしも、急成長中の企業が、最強のパフォーマンスを出すわけではないということですね。
ちなみに、2017年のみのパフォーマンスは、情報技術セクターは「+36.35%」上昇しましたが、ヘルスケアセクターは「+21.60%」となり、2017年は情報技術セクター(ハイテク)が大きく躍進した一年となりました。
これは諸説あると思いますが、人工知能などの次世代技術が2016年半ばくらいから、注目されるようになり、さらに期待値が高くなったからだと考えています。
(もちろん業績も良くなっているわけですが・・・。)
ところで、株式は長期的には企業の業績に合わせて株価は変動していくわけですが、短期的な目線で見ると、かなりボラティリティーの高いものです。
ゆえに、株価が上がりすぎると、適正な価値に戻るため、株価が下がりますし、株価が下がりすぎると、適正な価値に戻ろうと、株価が上がります。
前述のとおり、2017年のハイテク銘柄は大きく株価が上昇しました。これは業績とある程度連動しておりますので、ドットコムバブルの時のようなとてつもない過熱感があるとは言いませんが、個人的には2017年は少し上がりすぎたように思えてなりません。
ですので、個人的な勝手な予想では、長期的な目線で見ると、第四次産業革命の恩恵を受けて、それなりのパフォーマンスが出ると思いますが、短期的な目線で見ると、「ハイテク銘柄」の上値は限られるのではないかと予想しています。
そんな中、ハイテク銘柄で、かつ世界的巨大企業にもかかわらず、これっぽっちも注目されていない企業があります。
それが、永遠の不発弾の異名を持つ「IBM」です。
しかも嬉しいことに・・・いや、残念なことに、投資の神様ウォーレン・バフェット氏にも、完全に見捨てられた哀れな銘柄ですよ。
2017年のパフォーマンスなんて悲惨の一言ですからね。
以下は、2017年のS&P500指数とIBMの株価騰落率です。
◆S&P500指数とIBMの株価騰落率(2017年1月~12月)
上記グラフを見ると、S&P500指数が、「+18.42%」上昇したのに対し、IBMは「-7.74%」という悲惨なパフォーマンスを記録しています。
そりゃ2017年のような上昇相場に直面したら、資金をもっとハイパフォーマンスな銘柄に移しますよね。
当然、みんなに見捨てられている哀れな銘柄なので、株価収益率(PER)や配当利回りも、他のハイテク銘柄では、なかなか出せない数値になっています。
例えば、株価収益率(PER)は、「情報技術セクター」の平均が「25倍」程度であるのに対して、IBMのPERは、「12.62倍」ですよ。しかも、配当利回りは「3.94%」という高配当利回りです。
ん?
まあまあ・・・いや、かなり割安に放置されていない?
「株式投資」は、何も成長性だけで投資するわけではありません、その企業がどれだけ割安になっているかも、投資判断としては重要です。
ただ、割安に放置されているということは、事業的に大きな問題を抱えていて、成長性が悪い企業であることも多いです。
以下は、楽天証券にて記載している業績予想です。
直近2年の予想ですが、売上は増収を見込んでいるようです。また、利益については、2017年度が税制改革の影響により多額の費用計上をしたため、ちょっとよく分かりにくくなっていますが、少なくとも数値だけ見ると増益を見込んでいます。
続いて、キャッシュフローを見てみたいと思います。
◆IBMのキャッシュフロー(直近5年間)
IBMは、長い間連続減収減益が続いていたので、営業キャッシュフローは少しずつ下げていますが、フリーキャッシュフローは安定しています。潤沢といってもいいですね。
IBMは高配当かつ連続増配企業ですが、このキャッシュフローを見ていると、無敗や減配のリスクは低いように思えます。
<プロモーションドリンク>
IBMは、かつてはITの巨人と言われるほど、大きな力をもっておりましたが、長い間減収減益が続き、その結果、市場に見捨てられてしまいました。
ただ、それでも、ダウ構成銘柄に選ばれるほどの世界を代表する企業であり続けていますし、人工知能や量子コンピューターをはじめとする次世代技術にも力を入れております。
そんな銘柄が、ここまで割安に放置されていますからね。
IBMは、いまだレガシー事業と今後期待できる戦略的必須事業の最適化が完了しておりませんので、大きな成長は見込めないにしても、この割安感、この配当利回りを考えると、投資妙味はあるように思えます。
もしかすると、しばらくは下落局面が続くかもしれませんが、その間は、配当金再投資戦略で、持ち株数を増やし、IBMの復活局面では、それをアクセルに変えれば、大きく資産を増やすことができるのではないでしょうか。
まだ私の勘違いである可能性は否定できませんが、お宝株になる可能性も十分にありえると思っています。
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