こんにちわ、リョウスケです。
今回は世界最大手ICT企業「IBM」の2018年度第3・四半期決算の考察をしてみたいと思います。
過去にはIT界の巨人と呼ばれハイテク業界では知らない人は居ないくらい存在感を示していました。
しかし現在はその面影はなく「永遠の不発弾」とも言われるくらい市場から見放されているIBMですが、今回の決算はどうだったのか見てみます。
<プロモーションドリンク>
まず、結論から言いますと、今回の決算は悪かったです。
IBMの2018年度3Qの売上高は、187億5600万ドルとなり、前年度と比較すると、-2.07%減収となりました。
アナリスト予想は、191億ドルだったので、予想を下回っています。
また、純利益は、26億9400万ドルとなり、前年度と比較して-1.17%の減益となりましたが、 特別項目除く1株利益は、3.42ドルで、予想の3.40ドルを上回りました。
というわけで、IBMの2018年度3Q決算は減収減益となり、アナリスト予想を下回る結果となりました。
続いて、売上の内訳を事業ごとに見てみたいと思います。
以下は、今回発表された決算データです。
◆IBMの事業ごとの売上の内訳
2018年3Q | 2017年3Q | 増減 | |
Cognitive Solutions | $4,148 | $4,400 | -5.72% |
Global Business Services | $4,130 | $4,093 | -0.90% |
Technology Services & Cloud Platforms | $8,292 | $8,457 | -1.95% |
Systems | $1,736 | $1,721 | 8.71% |
Global Financing | $388 | $427 | -9.13% |
Other | $62 | $56 | 10.71% |
TOTAL REVENUE | $18,756 | $19,153 | -2.07% |
IBMは、大きく分けて5つの事業で構成されています。
「Cognitive Solutions部門」の売上は、今年度41億4800万ドルとなっており、前年度比-5.72%の減収となりました。
「Global Business Services部門」の売上は、今年度41億3000万ドルとなっており、前年度比-0.90%の減収となりました。
「Technology Services and Cloud Platforms部門」の売上は、今年度82億9200万ドルとなっており、前年度比-1.95%の減収となりました。
「Systems部門」の売上は、今年度17億3600万ドルとなっており、前年度比+8.71%の増収となりました。
「Global Financing部門」の売上は、今年度3億8800万ドルとなっており、前年度比-9.13%の減収となりました。
この中で気になるのは、「Cognitive Solutions部門」「Technology Services & Cloud Platforms」と「Systems部門」の売り上げです。
IBMが、社を挙げて推している「Cognitive Solutions」部門の売り上げがついに減収となってしまいましたね。前回の決算でも、低成長だったのでやばいと思っていたのですが、悪い予感は的中してしまいました。
そして、代わりに期待していた「Technology Services & Cloud Platforms」も減収ということで、もはやフォローのしようがありません。
ちなみに、「Systems」部門は、前々期、前期に引き続き増収となっていますが、この特需もそろそろ終わりに差し掛かっているようで、その成長も大幅に鈍化しています。
そもそもレガシー事業である「Systems」部門に期待するというのもどうかと思いますからね。
IBMは人工知能や、クラウド、セキュリティなど、今後期待できる事業を成長させ、衰退が見込まれる事業を最適化していった先に、「IT界の巨人」の復活があるわけですが、今回の決算を見る限り、これっぽっちも期待出来なさそうです。
ちなみに、事業ごとの売上利益率は以下のとおりです。
◆事業ごとの売上利益率
2018年2Q | 2017年2Q | |
Cognitive Solutions | 76.0% | 78.7% |
Global Business Services | 29.8% | 27.1% |
Technology Services & Cloud Platforms | 42.1% | 40.9% |
Systems | 52.7% | 53.6% |
Global Financing | 26.3% | 25.2% |
TOTAL GROSS PROFIT MARGIN | 46.9% | 46.9% |
全体的に見ると、利益率は、横ばいになっていますね。
「Cognitive Solutions」がとんでもない利益率を誇っていますが、それでも、少しずつ低減しております。
IBMは、競争の激しいハイテク分野で、シェア争いをしているので、利益率が下がっていく傾向があります。
ジェレミー・シーゲル教授著「株式投資の未来」では、ハイテク企業の「成長の罠」について書いておりますが、競争激化に伴う利益率の低下によって、思ったほど利益が上がらない、というのは上記の数値でも如実に出ているように思えます。
今回の決算では、減収減益となり、アナリストの予想を下回りました。
はっきり言って、今回の決算は凄くがっかりでしたね。これまではバフェットに見放されようが、この永遠の不発弾の将来を期待して保有し続けていましたが、ちょっとこの決算はひどいです。
ほぼ全てのセグメントで減収でしたし、将来が期待されるコニクティブ部門やテクノロジー部門も減収でしたからね。
もはや将来が期待できる「モノ」が見つかりませんよ。早々に売却したいと思います。
思えばバフェットが売却した時点で、自分も売却しておくべきでしたね。自分の判断の遅さに嫌気がさしますよ。
IBMへの投資は完全に失敗でした。まあ、配当を含めるとそれほど大きな損失ではありませんが、時間的な損失が大きかったです。
やっばり改めて思いますけど、上昇相場では「順張り」に徹するべきでしたね。この反省は次に活かしたいと思います。
▼大変申し訳ございませんが「ポチっ」と応援していただけると嬉しいです。
<プロモーションドリンク>