こんにちわ、リョウスケです。
近年は世界的に低金利時代に突入していますが、そんな中投資家の間では「高配当株」の人気が高くなっています。
例えば、タバコ会社である「JT」は高配当施策や自社株買いを頻繁に行う株主還元意識の高い企業ということで、日本の投資家に人気の高い銘柄の一つです。
2019年9月上旬には配当利回りが一時7%を超えており、銀行に100万円預けても100円程度しか利息が貰えない時代に、7万円も貰えるワケですから人気が高いのも頷ける話ですよね。
しかも「JT」は日本企業では珍しく連続増配も行っており、2019年の時点で16年連続で増配を続けています。
投資家が利益を計上するものとして「配当金」に着目するのであれば、最大のリスク要因となるのは「減配」や「無配」ですが、連続増配を続けている会社はそのリスクが低く、安心して保有することができます。
JTには他にも優位性が高い点があり、ざっくりと概要だけを記載すると・・・
・タバコ産業世界第三位。
・世界的格付け会社であるS&Pやムーディーズからも高い評価。
・日本国政府が株式の33%を保有する大株主。
・海外の売上収益が高く、2018年度は59%が海外での売上。
ちなみに「JT」のホームページを見ると、投資家心理をくすぐらせる様々な情報が記載されているので、読んでみるとことをおすすめします。
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このように日本の投資家の間で注目されている「JT」ですが、残念ながら株価の方は低迷しています。
以下は直近10年間の株価のチャートです。
2015年終盤から2016年前半をピークにすごい勢いで株価が下がっており、現在は7年前の株価と水準まで低迷しています。
これには、加熱式タバコへの参入が遅れたことや、健康志向の高まりを受けて世界的にタバコ離れが進んだことなど、様々な要因があります。
日本国内だけで見ても、愛煙家のタバコ離れは深刻で、厚生労働省が発表した資料によると、1966年の成人男性の喫煙率は83%を超えていましたが、2018年の喫煙率は27%まで下がっています。
私の周りでも、大学生の頃は皆吸っていましたが、今では誰も吸っていません。そして、今後は更に減っていくと思いますね。
これは日本国内に限った事ではなくて、世界的にタバコ離れが進んでいます。
あと個人的に無視できないのが、世界的に進められている「電子タバコ規制」です。
電子タバコの毒性については、未だに分かっていない点も多いですが、米国やインドなどの大国で規制され始めている現実を考えると、この流れはもう止まらないのではないかと思います。
当然、タバコ離れが深刻化し、しかも電子タバコ規制が進むということは、タバコ業界にとって大打撃となります。
かつて、ペンシルベニア大学のジェレミーシーゲル教授は、「高配当株」は株価下落局面ではブレーキとなり、上昇局面ではアクセルとなる例としてタバコ銘柄を紹介しましたが、これからの未来も同じ事が言えるのか判断が難しいところです。
直近では大丈夫だと思いますが、長期で投資する場合、最悪のケースになると減配や無配も起こりうると思います。逆に、規制が緩和されたり、電子タバコの健康性が実証するなどすれば大きな株価上昇があることも考えられます。
ただ一つ言えるのは、こういった不確実性の高い状況で、「高配当」という点だけに絞って投資するのは非常にリスクが高いのがタバコ業界だと思います。
「高配当」という点に目を奪われて、タバコ離れが進んでいることや電子タバコ規制に注視しないというのは、思わぬ損失に見舞われることになりかねませんので注意が必要です。
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