こんにちわ、リョウスケです。
今回はグーグルやYoutubeを傘下に持つ世界最大手のICTサービス企業「アルファベット」の2019年第3・四半期(2019年7月から9月)の決算を考察したいと思います。
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今回のアルファベットの決算内容はまちまちでした。
以下は、今回発表された決算データの一部を抜粋したものです。
2019年3Q(7月~9月期)の売上高は404億9900万ドルで前年度比+20.03%の増収となり、アナリスト予想の403億2500万ドルを上回りました。
そして、純利益は70億6800万ドルで前年度比-23.1%減益となり、アナリスト予想の88億1100万ドルを大幅に下回りました。
調整後の 1株利益は10.12ドルで、予想の12.35ドルを下回りました。
今回利益が下がってしまったのはコストが大きくなってしまったためです。
今期の「費用」は313億ドルで、前年同期比25%増加しています。中でも設備投資は27%増の67億ドルとなっており、クラウドサービスでマイクロソフトやアマゾンに対抗するため、データセンターの構築や機器購入、営業員の採用を増やしています。
続いて、「アルファベット」の事業別に決算を見ていきたいと思います。
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以下は、今回の決算の事業別売上のデータを抜粋したものです。
上記の「Google advertising revenues」が、Googleの稼いだ「広告費」になります。
そして、「Google other revenues」が、Googleが稼いだ「広告費以外」の収益です。
また、「Other Bets revenues」が、Google以外が稼いだ収益となります。
今期の「Google」の広告売上は339億1600万ドルで前年度比+17.13%の増収となりました。
また、「Google」の広告売上以外・・・つまり、クラウドサービスやその他成長分野の売上は64億2800万ドルで前年度比+38.53%の増収となっています。
そして、「Google」以外の企業の売上は1億5500万ドルで前年度比+6.16%増収となりました。
最後に、グーグルの最も大きな収入源である「広告収入」について、見てみたいと思います。
上記の「TAC」というのは、「トラフィック・アクイジション・コスト(TAC)」の略で、アップルなどの携帯端末やアプリで、グーグルの検索連動型広告を表示した際に支払う手数料です。
また、広告クリック回数(ペイドクリック)は、前年度と比較すると+18%増加しており、これは決算ごとに増えていっておりますが世界中でスマホが普及していることによって利用者数が増えていることが要因です。
そして「広告の単価」は前年度比で-2%減少しております。これはパソコン広告に比べるとモバイル広告の方が安いためです。
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今回のアルファベット決算では当然のように増収増益を達成しましたが、利益がアナリスト予想を下回る決算となりましたので、決算発表後の時間外取引では株価が-3%下落しています。
アナリストの一人は「大手ハイテク企業のビジネス慣行を巡って厳しい目が向けられる中で、今回収益が予想に届かなかったことから不確実性が高まるのは必至で、同社への悲観的な見方も強まるだろう」と述べており、今後は悲観的な状況になると予想している人もいます。
最近はアマゾンやマイクロソフト、そしてグーグルなどのICT企業のコストが増えていますが、これはICT分野で競争力が高まっているからです。
競争力が高まっている点は「技術革新」という面では今後大きなイノベーションが起きることが期待できますが、投資家としては注視しなければいけません。
シーゲル教授は著書の中で「成長の罠」について書いており、今後期待できる分野であってもコストが高まると利益が減ってしまうことになるので、株価はそれほど伸びない可能性もあります。
また、最近は世界各國がICT企業について規制強化しようとしていることも無視できませんし、実際アルファベットは欧州に莫大な制裁金を支払っていますからね。
これらのことはリスクとして考慮しなければいけない時期に来ているように感じます。
「将来が期待できる=株価が上昇する」というわけではないということを認識しておきましょう。
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