こんにちわ、リョウスケです。
今から約10年前の2008年は「百年に一度」と言われるほどの金融危機が発生しました。
アメリカの大手証券会社「リーマン・ブラザーズ証券」がサブプライムローンの巨額損失によって経営破綻したことがきっかけで発生したのですが、株式市場は暴落し当時の高値と比較すると-50%近く下落しています。
その後、主要各国は財政出動を拡大させたり、規制緩和を行ったりすることでこの金融危機を乗り越え、アメリカは2009年、日本が2012年に底値となり、現在まで株式市場は上昇相場となっています。
ただ、現在は著名な識者たちの間で世界的な経済縮小への懸念が高まっていますし、それを裏付ける様々な数値も出てきています。その為、「株式市場」の行く末に不安を感じている人も多いのではないでしょうか?
そんな時はポートフォリオにディフェンシブよりの銘柄を組み入れておくことをおすすめします。では、どのような銘柄が良いのかというと、「債券」は上下の値動きが少ないものの、安定した「配当金(分配金)」を貰うことができるのでオススメです。
そこで、今回は、バンガード社の提供している「バンガード・米国トータル債券市場ETF(BND)」を考察してみたいと思います。
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「バンガード・米国トータル債券市場ETF(BND)」は、米国の信用力の高い、投資適格債券市場全体へ、幅広く分散して投資をしています。
そして、その6割が米国政府が発行している短中期債券なので、安全性も高いです。
以下は、基本情報です。
名称 | バンガード・米国トータル債券市場ETF |
ティッカー | BND |
ベンチマーク |
ブルームバーグ・バークレイズ 米国総合浮動調整インデックス |
経費率 | 0.04% |
配当利回り | 2.72% |
配当スケジュール | 毎月 |
設定日 | 2007/4/3 |
優良なETFを提供しているバンガード社の商品だけあって、「経費率」が非常に安くなっていますね。現在の年間配当利回りは2.72%と高い水準となっていますので、「インカムゲイン」で利益を確保するのにもってこいの銘柄となっています。
以下は、BNDのチャートです。
上記チャートはリーマンショックが起こる前の2008年1月から現在までのBNDのチャートですが、さすがに約10年間のチャートですので、上がったり下がったりを繰り返しているように見えますね。
ただ、よくよく見てみると、この10年間のBNDの最高値(85.36)と最安値(67.00)が20%程度しか変わっていません。それだけ値動きが少ない銘柄だということです。
また、暴落相場にもそれなりの耐性があります。
リーマンショックの際の「株式」の市場平均が-50%近く下落したのに対して、BNDは一時的に-18%ほど下がっていますが、悲観された「株式」から資金が流入して、大幅に上昇しています。
リーマンショックほどの大きな金融危機でも、安定した値動きをしている点は、ポートフォリオを安定させる意味では、投資妙味にがあるように思えます。
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このように「BND」は値動きが少なく、安定した「インカムゲイン」を取得できる銘柄だということが分かったと思いますが、一方の「キャピタルゲイン」はどうなのでしょうか。
結論から言うと「BND」は決して大きなキャピタルゲインを狙える銘柄ではありません。
「BND」と「S&P500指数」を比較してみます。
この約10年間のパフォーマンスはS&P500指数が+136.05%上昇したのに対して、BNDは+7.63%しか上昇していません。つまり、「キャピタルゲイン」はほとんど期待できない銘柄ということです。
言い換えるなら、「リターン」を重視するなら「S&P500」に投資する方が良いというわけです。
では、「BND」に投資するメリットが何もないかというと、そういうわけでもないです。先ほど「BND」のボラティリティは低いと書きましたが、上記チャートのように市場平均と比較すると「BND」のチャートは殆ど横線になっていて、ほとんど値幅がないということがお分かりいただけると思います。
金融危機で暴落局面が起ころうが、上昇相場になろうが、ほとんど株価が変わらないことこそ真の「ディフェンシブ銘柄」だと思います。
そして、株価がほとんど変わらない間に2%を超える「インカムゲイン」を貰い続けることができます。
もちろん、資産形成の為に少しでも高いリターンを得たいのであれば、この銘柄ではなく「S&P500指数」と連動したETFやハイテク銘柄に投資した方が良いです。
ただ、ある程度資産が大きくなっていたり、自分自身の年齢が高くなって、多少リスクを抑えて投資したい人には非常におすすめの銘柄だと思います。
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