こんにちわ、リョウスケです。
今回は世界最大手のヘルスケア企業「ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)」が2019年度第4・四半期(10月~12月)の決算を発表しましたので、考察してみたいと思います。
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今期のジョンソン・エンド・ジョンソンの決算は悪かったです。
まず売上高は207億4700万ドル(前年度比+1.7%)の増収となりましたが、アナリスト予想の208億ドルを下回りました。ジョンソン・エンド・ジョンソンの売上高がアナリスト予想に届かなかったのは、8四半期ぶりとなります。
続いて、純利益は40億1000万ドル(前年度比+31.8%)の増益となりました。また、特別項目を除く1株利益は1.88ドルとなり、アナリスト予想が1.87ドルを上回りました。
そして、同じ日に発表された通期の調整後1株利益を9.10ドルになるとしており、アナリスト予想と一致しました。
このように今期の決算は増収増益を実現しましたが、売上高がアナリスト予想に届かない決算となってしまいました。
続いて、ジョンソン・エンド・ジョンソンの売上を事業別に見てみたいと思います。
以下は、今回発表された事業毎の売上データです。
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、大きく分けると、「一般消費者向け製品(Consumer)」「医療品(Pharmaceutical)」「医療機器(Medical Devices)」といった3つの事業に分かれております。
まず、「一般消費者向け製品(Consumer)」を見ますと、今期売り上げは35億6700万ドルとなり、前年度と比較すると+0.9%の増収となりました。
続いて、「医療品(Pharmaceutical)」を見ますと、105億4800万ドルとなり、前年度と比較すると+3.5%の増収となりましたが、アナリスト予想の106億3000万ドルに届きませんでした。
さらにその内訳を見てみると、乾癬治療薬「ステラーラ」の売上高が17.7%増の17億ドルでしたが、アナリスト予想の17億9000万ドルには届きませんでした。また抗がん剤「イムブルビカ」は24.5%増の8億7500万ドルとなり、アナリスト予想の9億700万ドルには届きませんでした。
最後に、「医療機器(Medical Devices)」の売上高は66億3200万ドルとなり、前年度と比較すると-0.5%の減収となりました。
ちなみに、全体の売り上げのうち、米国国内比率は51.3%、海外比率は48.7%と売上の半分近くを米国以外の国で占めており、世界中で商売をして収益を上げている企業ということがわかります。
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今回のジョンソン・エンド・ジョンソンの決算は増収増益を実現しましたが、売上がアナリスト予想を下回り、決算発表後の株価は一時-1.4%ほど下落しました。
ここ最近のジョンソン・エンド・ジョンソンは訴訟リスクが高まったり、悲観的なニュースが多く出されるなどで、パフォーマンスはよくありません。
以下は、直近1年間のチャートです。
上記グラフは2019年1月から現在(2020年1月)までのジョンソン・エンド・ジョンソンを市場平均(S&P500指数)を比較したチャートです。
市場平均が+27.9%上昇しているのに対して、ジョンソン・エンド・ジョンソンは14.3%となっており、市場平均をアンダーパフォームしています。
ヘルスケアセクターに属する企業は長年成長を続けてきており、ここ数十年を見ても市場平均を大きく上回るパフォーマンスを残していますが、悲観的なニュースが多く出てくるとパフォーマンスが落ちてしまうこともあります。
ただ、ジョンソン・エンド・ジョンソンを含めたヘルスケア業界は訴訟リスクやジェネリック薬品の台頭などのリスクを常に抱えながらも成長を続けてきた点も認識しておくべきです。
リーマンショック以降のセクター別の成長力は情報技術セクターに次ぐほど高いものですからね。
株式投資の基本は「安い時に買い、高くなれば売る」となるので、ジョンソン・エンド・ジョンソンのような優良銘柄は評価されていない時に購入するのは戦略として有効だと思います。
少し前にジョンソン・エンド・ジョンソンの訴訟リスクが高まり叩き売られた際には、「ヘルスケア業はオワコン」という人も多かったですが、結局その後爆上げしていますからね。
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